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アスラン「俺って…俺の価値って…」 キラケン「まあまあ、元気を出すんじゃ!ほれ、なぜなにシリーズ視聴者、100人に聞いたお前さんのアンケートじゃい。」 アスラン「ど、どんな結果が?」 ~アーガマ、ミネルバ、…とまぁ、早い話ゼウスの皆さんに聞きました、アスラン・ザラの印象は?~ 「迅速要員」…15人 「移動距離稼ぎ」…15人 「凸」…15人 「『魂』無いから決めてに欠ける」…15人 「キラの腰巾着」…30人 「え?居たっけ?」…50人 「ヅラ」…沢山 アスラン「100人オーバーじゃないかっ!?しかも皆酷いぃぃぃぃぃっっ!!」 キラケン「こらアスラン、またんか~い!」 アスラン「他のキャラは?他のキャラの印象はどうなっているぅ!!」 アーサー「まあ、落ち着け。ええーと…キラは…」 フリーダム野郎 良き相方 MAP兵器便利 ちょっと変なやつっぽいけど悪人じゃなさそう 「帰れ!」とか言ってすまん アスラン「…わりと好感触じゃないか」 キラ「いやぁ…照れるなぁ」 シン「(誰が書いたかだいたいわかるな…)」 シンの場合だと… 「ツンデレ」→沢山 「砂糖精製工場」→沢山 「ボスキャラキラー」→沢山 「可愛い黒ウサギ」→女性陣 「切り込み隊長」→沢山 「突撃頭」→沢山 「バカップル」→山程 「生意気だけどいい子」→沢山 「自慢の夫」→セツコさん アスラン「……俺と雲泥の差が…」 キラ「でも、何気に敵も多そうだよね…砂糖精製工場とか…」 シン「セツコさん…///」 シン君を泉に落としてしまいました。アナタが落としたのは。 ①ハグで愛情表現。なつくと可愛いTV版シン君 ②少年マンガの主人公してる男前なボンボン版シン ③作者の愛情受けまくり、やたら母性本能刺激するジ・エッジ版シンちゃん どれですか? セツコ「④新しい舞台、新しい世界、そして新しい戦友(なかま)。スパロボという世界で本来のスポットライトを浴びた、私の出会ったシン君です!」 「正直な貴女には全員差し上げましょう…」 セツコ「さあ!シン君たち!もう一回飛び込むのよ!!」 ルナ「増え過ぎ!!」 ラクス「私色に染めやすそうな①を下さいな」 ツィーネ「調教し甲斐のある③を頂戴よ」 カミーユ「俺の親友の④だ!!」 レイ「俺との友情の為に凸と戦ってくれた②を所望する」 宇宙に浮かぶ無数の砂時計 それらは「プラント」と呼ばれる一つの国家を形成している そこで戦後、シンとセツコ、そしてステラは生活していた… 「シン、セツコ、おはよう…?」 午前九時頃、夜更かしをしていたせいか普段より若干遅く起きたステラが見たものは、 リビングで紐で紙コップをつないだものを持った二人の姿だった。 「あ、おはようステラちゃん」 「おはよう、ステラ」 と、二人が挨拶を返しながら持っていた紙コップを一つステラの手に渡す。 唐突に渡されたそれをどうしたらいいのか分からずキョトンとしているステラに、 渡した張本人、シンは穏やかな笑みを浮かべながらこう言った。 「それを耳に当ててごらん」と ここまで読めば大体の人がこれが何だか分かるだろうが、ステラはどうやら知らないらしく、 恐る恐るといった感じで耳に当てた。 「聞こえる?ステラちゃん」 「!?きこえる!セツコのこえがきこえる!」 「それは”糸でんわ”って言うんだよ、ステラ」 「”いとでんわ”?」 「そうよ、今私がやったように相手とお話ができるの」 じゃあ、わたしのこえもきこえるの?と嬉しそうに聞くステラにセツコは微笑みながら頷くことで返した。 「きこえる?」 「うん、よく聞こえてるわ」 お互いの声が聞こえる事がとても嬉しいのか、ひまわりのような満面の笑みを浮かべながら、 何度もきこえる?と聞くステラに、満開の桜のような笑みを浮かべながら、 セツコもまた何度も聞こえてるわよ、と返す。 そんな二人を見ながら、シンは体の内側からあふれてくるありったけの幸福感を凝縮した 太陽のような笑みを浮かべていた。 「シンもいっしょにやろう?」 「そうだな、見てるだけじゃつまんないしな」 「それじゃあ、シン君は私と交代ね」 「ありがとうセツコさん。聞こえるか~ステラ?」 「うん!よくきこえるよ♪」 今日もアスカ家は平和である セツコ?「シ~ンくん♪」 抱き付き!! シン「うわッ////」 仲間達「おお~」 セツコ?「うふふふふ~シン君大好き~♪チュッ、チュッ、チュッ」 シン「/////ちょ、ちょっと、セツコさん!?ど、どうしたの!?」 セツコ?「真っ赤になって可愛い~/////♪チュッ」 仲間達「すげぇ…」 シン(な、何で今日はそんなに積極的……ん?眼が赤い…?) セツコ「な、ななな、何やってるの!!私のシン君にぃぃぃぃ!!!」 シン「あれ?セツコさんが二人……?」 セツコ?「チッ………ボソンジャンプ!!」 シン「消えた!?」 セツコ「……シン君……さっきの娘とキスしてたよね…?」 シン「ち、ちが、不可抗力…ッ」 セツコ「問答無用!!」 イネス「あら?お帰り。楽しんできた?」 セツコ?「うん。昔のパパ可愛かった♪♪もう少しで既成事実が出来たのに…」 イネス(恐ろしい娘…ッ!!) 428氏の娘ネタを拝借しました。スイマセン。 シン「さて、出撃前に小隊組まないと…」 レイ「シン、俺が入る。」 シン「オッケー、頼むなレイ。あと一人なんだけど――」 カミーユ「(俺がっ!)」 セツコ「(わ、私が!)」 ルナマリア「(セツコさんには譲らない!)」 ステラ「(ステラが入る…)」 ハマーン「(俗物共が、身の程を知れ!)」 シン「ん~、デスティニーとレジェンドのバランスを考えると…」 一同「「(考えると!?)」」 シン「アスラン、入って下さいよ。」 一同「「何だそりゃあああっ!?」」 アスラン「お、俺が!?シン、本当に俺でいいのか…?こんな…お前を散々惑わせて来た俺が…」 シン「ええ、アンタでいいんです。」 アスラン「…シン…俺は…っ(感涙)」 シン「頼りにしてますよ、『迅速』。デスティニーとレジェンドが空陸タイプだから、飛行ユニットじゃないと移動力落ちますし(悪気無し+あっさり+天然)。」 アスラン「天国から地獄とはこの事だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ(マジ泣きダッシュ)!!!」 シン「あ、あれ?アスラン、待って下さいよ!」 一同「「ざまぁみろ、凸凹…」」 クワトロ「休暇だというのにすまなかったな、二人とも」 ハマーン「ミネバ様にX masプレゼントをと思ったのだが、我々二人ではなかなか、な」 シン「まぁ、大尉とハマーンさんが、二人だけでぬいぐるみ店には、入りづらいですよね」 セツコ「そんな事ないわよ、シン君。ハマーンさんが選んだぬいぐるみ、あれは良いものですよー!」 クワトロ「ニュータイプの勘、と言うわけではなさそうだな」 セツコ「ええ、あのぬいぐるみを選ぶとは、そうとう目が肥えているとしか」 ハマーン「ええい、もうよいではないかっ!そんなことよりもシャア!二人へのお礼のケーキとは、 どこの店なのだ!」 シン「別にハマーンさんがぬいぐるみが好きでも、可愛くていいと思いますが」 ハマーン「少年よ。私にも守るべき評判というものがあるのだよ」 クワトロ「キュベレイのコックピットが、兎や猫で埋まっていると聞いたが」 ハマーン「黒兎、茶兎、白兎、青兎の四つしか積んでおらんわっ!」 シン(積んでるだ・・・) クワトロ「(冗談だったのだが・・・)まぁいい。ここの喫茶店だ。入ってくれ」 セツコ「・・・・・・」 シン「セ、セツコさん?息してますか?」 ハマーン「これは見事なケーキの山だな」 クワトロ「マスターとは古い付き合いでな。X mas用の試作品でもあるから、遠慮なく食べてくれ」 セツコ シン「いただきます!」 セツコ「もぐもぐパクパクモグモグぱくぱく・・・」 シン「セツコさん、鼻にクリームが」 セツコ「パクパクもぐもぐぱくぱくムグッ」 シン「ほらほら慌てなくっても、沢山ありますから」 クワトロ「シンの方が、母親のようだな」 シン「すいません。普段の食事の時は、こんな事はないんですが、スィーツとなると 目の色が変わっちゃって」 セツコ「モグモグパクパクぱくぱくもぐもぐ・・・」 シン「俺だって一度位は、フォークで『あ~ん♪』とか、してみたいんですよ~っ!」 ハマーン(シャア、このケーキ、甘さと香りで判りづらいが、アルコールが効きすぎではないか?) クワトロ(ブランデーを少しばかり多目に、な。持つべき者は、物分かりの良い友人さ。) ハマーン(なるほど、そう言うことか!) セツコ シン「ごちそぉさまでしたぁ!」 シン(あ、あれ?足元が変だな?) セツコ「とぉっても、美味しかったで~す!」 クワトロ「時間ができたら、また来てやってくれ。奴も喜ぶだろう」 セツコ「はいっ!シン君、クリスマスはここでデートしましょう!」 シン「い、いきなり何言ってるんですか!」 セツコ「えー、デート嫌ですか?(ウルウル)」 シン「い、嫌な訳ないじゃないですかっ!」 セツコ「じゃあ、今からデートしましょーっ!(ダキッ)」 シン「ちょっ、セツコさん、ま、待って」 クワトロ「(今だ、ハマーン!)シン!今が駆け抜ける時っ!(ギュッ)」 ハマーン「(承知!)セツコ、あなたに力を!(ギュッ)」 クワトロ ハマーン「応援、祝福、感応、激励!では、さらばっ!」 シン「あんた達どれも持ってないだろうっ!」 セツコ「ねぇ、シン君も何か貰った?」 シン「ああ、何か持たされた。セツコさんも?」 セツコ「うん、なんだろう・・・っ!こ、こ」 シン「コ、コン○ーム!な、ちょっと、いや、セ、セツコさん、大丈夫、変なことしないからっ!」 セツコ「変なこと?」 シン「いや、その、す、捨てましょう!こんなもの!」 セツコ「ん~、まだ子供は早いと思っていたけど・・・でも、シン君が欲しいなら私頑張るっ! 女の子は男親に似るのよねっ。ピンクのフリフリのシン君・・・ウフ、ウフフ」 シン「あ、あのセツコさん?そう言う意味じゃなくてですね」 セツコ「でも女の子だと、シン君の取り合いになっちゃいそう・・・やっぱりもう少し、 二人だけの時間が欲しいな。シン君が仕事から帰って来たら『お風呂でします?食事の前にします? それとも、わ・た・し?』とかぁ♪キャッ♪」 シン「セツコさぁぁぁぁんっ!」 ハマーン「久しぶりに二人きりだというのに、浮かない顔だな。私が隣にいるのがそんなに嫌か?」 クワトロ「馬鹿な事を言わないでくれ。もしも嫌なら、ホテルのレストランも、スイートルームも 予約したりはしないさ」 ハマーン「シャア・・・」 クワトロ「しかしな、二人とも彼等に渡してしまったのでな。自分達の分をどこで仕入れようかと」 ハマーン「この俗物がっ!(ガツン!)とっとと帰るぞ!」 クワトロ(フッフッフ、良い打撃だ。しかし、ファンネルは鈍器ではないぞ、ハマーn・・・) 『みんな抱きしめて銀河の果てまで!』 麗華「可愛いわね」 フォウ「ええ、私もあんな服着てみたいな」 セツコ「フフ、女の子なら誰でも1度はアイドルに憧れるものよね」 ツィーネ「その言葉を!」 クワトロ「待って!」 ラクス「いましたわ!」 ハマーン「俗物が!」 麗華「な、何!?」 クワトロ「では、諸君。よろしく頼むぞ」 ラクス「おまかせですわ」 フォウ「な、離せ!離せ!」 セツコ「いや、嫌、嫌ぁぁぁ!」 シン「レイ、そのみかん」 カミーユ「ほらシン」ピキーン シン「お、サンキューカミーユ」 カミーユ「何、気にするな」ピキーン レイ「…………」ピキーン シン「やっぱりコタツにはみかんだな……」 『では、出てきていただきましょう。先週デビューしたアイドルユニット、グロ☆スタです』 セツコ『どうも』 フォウ『皆さん、こんにちは~♪』 麗華『初めまして。私達…』 3人『グロ☆スタで~す』 シン・カミーユ・レイ「!!?」 シン「せ、セツコさん!?」 カミーユ「フォウまでいるぞ……」 司会『いや、美人ぞろいですね。流石アイドルだ』 フォウ『ありがとうございま~す♪』 司会『では、今日は何を歌ってくれるのかな?』 セツコ『はい、実は私かなり不幸な境遇だったんです』 麗華『ですが、ある人達のおかげで私達は不幸を乗り越えて生きていることが出来ました』 フォウ『だから、私達を支えてくれた人達のために、この曲を歌います』 セツコ『聞いてください』 3人『グロ☆スタで『不幸を乗り越えて(作詞作曲 ラクス・クライン)』です』 カミーユ「(あ然)」 レイ「(同じく)」 シン「………可愛い」 司会『ありがとうございました。いやーいい曲ですね。歌詞が涙を誘います』 フォウ『カミーユ、見てる~?』 セツコ『シン君~ 私、頑張ってるよ!』 カミーユ「うう……フォウ」 レイ「テレビで一曲聞いただけで号泣するな。なあシン」 シン「あ、もしもしレントンか?今すぐCDの予約したいんだけど……」 レイ「シン……」 シリウス「美しい…」 シルヴィア「うわ、テレビで普通に実名だしてるよ」 シリウス「きっと気分が高まって勢いで言っているのだろう。それで麗華は誰の名を叫ぶのか」 シルヴィア「マリンか……または」チラ 麗華『アポロ、ありがとう!あなたの言葉に私はどれだけ助けられたか……』 シリウス「!?」 シルヴィア「!?」 アポロ「おい、不動のおっちゃんがまた特訓だって呼んで………ん、麗華じゃねぇか。何やってんだ?」 クワトロ「実は他にもこんなのを考えていたのだが…」 アムロ「どれどれ」 女帝 メンバー ハマーン、アフロディア、ツィーネ キラ☆キラ メンバー キラ、キラケン ベルタウン メンバー シン、エイジ 天然ガールズ メンバー セツコ、ラクス、ステラ 桃色レディ メンバー ツィーネ、エニル、ミヅキ 電波少女 メンバー ティファ、エウレカ、リーナ 運命 メンバー シン、レイ、カミーユ クワトロ「どうだ?」 アムロ「個人的には運命と女帝が気になるな」 セツコ『皆さん、今日は私達のために集まってくれてありがとうございます』 フォウ『ホント感謝感激です~』 麗華『それでは新曲、聞いてください』 シン「なあ、なんかフォウのキャラ違くないか?」 エイジ「テレビだしキャラ変えてるんだろ」 カミーユ「可愛いだろ?」 シン「いや、確かに可愛いけど……」 キラ「流石ゆ○なボイスだね」 レイ「大した演技力ですね」 カミーユ「何言ってるんだ?フォウは2人っきりで甘える時はあんな感じだぞ」 シン「え?」 エイジ「(のろけだ)」 キラ「(のろけだね)」 レイ「(のろけか…)」 グロ☆スタのライブ会場に来たシン シン「カミーユ達どこ行ったんだろう………はぐれちゃったな」 セツコ「あら、シン君じゃない」 フォウ「あ、本当です~♪」 シン「セツコさん!……とフォウ」 セツコ「来てくれたのね」 シン「ええ、カミーユ達と一緒に来たんですけどはぐれちゃって」 セツコ「そうなの……大変ね」 フォウ「でもここは関係者以外立ち入り禁止です~」 シン「あ、そうなんだ。どうりで人が少ないと………って前から思ってたけどキャラ違くない?」 フォウ「アイドルだからね。少しくらい媚び売るキャラがいないとってラクスに言われてね」 シン「あ、戻った」 セツコ「あ、フォウちゃん。人来たよ」 フォウ「こんにちは。お疲れ様です~」 シン「あ、キャラ変わった。セツコさんや麗華さんはキャラ変えないんですか?」 セツコ「麗華さんは真面目キャラで私は守ってあげたくなるようなキャラって言われてるから素でいいって」 フォウ「ホント酷いですよね~。私だけこんなキャラって」 セツコ「フォウちゃん。もう、人行ったわよ」 フォウ「ふう、まあ、カミーユが可愛い言ってくれるのは嬉しいけどさ」 シン「(これがギャップ萌えか)そ、そう」 フォウ「………セツコ睨んでるよ」ピキーン シン「え?」 セツコ「………」ジィー シン「あ、あのセツコさん?」 セツコ「シン君ひっど~い。フォウちゃんにばっかり見とれて。わ・た・し・も見て~」 シン「!?」 フォウ「……セツコ」 セツコ「(赤面)あ、いや、これは………その」 フェイ「ね、ねぇ、良かったら私と一緒に買い物でも……///」 リィル「エイジさん………私と……私と……!」 斗牙「ねぇ、エイジ。遊びに行こうよ」 琉菜「エイジ!」 チビメイド達「「「エイジさま~」」」 シン「モテモテだなエイジ」ピコピコ カミーユ「そうだな」ピコピコ シン「俺も一度くらいあんなにモテてみたいな」ピコピコ クワトロ「フッ、若いな。ファンネル!」ピコピコ シン「うわ、落とされた!」ピコピコ カミーユ「まあ、俺もシンの気持ち、わからなくもないですけどね。堕ちろぉー!」ピコピコ フォウ「カミーユには私がいるでしょ? 人形のクセに!」 カミーユ「ああ、そうだなフォウ。前に出てこなきゃやられなかったのに!」 クワトロ「ふむ、見せつけるなカミーユ。1人身には辛いな。パワーダウンだと!?」 シン「幸せになカミーユ。ディステニーで叩き斬ってやる!」 カミーユ「ああ、ありがとうシン。遊びでやってんじゃないんだよー!」 シン「ああ、負けた!」 カミーユ「よし、勝った」 フォウ「少しは私に優しくしてよ」 クワトロ「しかし、危なかったな」 フォウ「次は私とチーム組みましょ」 カミーユ「ああ、フォウは僕が守ってみせるよ」 シン「言ったな!」 クワトロ「なら、独り身同士、頑張るか」 シン「了解です大尉」 柱の影から ハマーン「シャア……」 セツコ「シン君……(私、勇気出してみるわ。待っててねシン君)」 ルナマリア「殴っていいかしら?主にシンを」 ステラ「ゲーム……楽しそう……」 ファ「私は泣いていいんですよね」 エイジ「わりぃ、ユミ(幼なじみ)と久々に会う約束してるんだ」 チビメイド「「「えぇ~」」」 斗牙「そうか、仕方ないね」 フェイ「そ、そう……(ユミ?誰よそれ!)」 リィル「わかりました……(でも次は…)」 琉菜「まあ、予定があるなら……ね(うう…なんでこんなにライバルが多いの)」
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【作品名】スーパーロボット大戦Zシリーズ 【ジャンル】ゲーム 【共通設定・世界観】 世界観は無限の平行世界と、ある事象に生じる可能性分岐により発生する新たな世界の多元+α 太極:多元宇宙の全てを司る意思 源理の力(オリジン・ロー)もこれに属する力だと思われる 次元獣:別次元から現れる謎の生命体。その正体は、破界の王が生成するリヴァイヴ・セルの効果によって機動兵器と搭乗者の生命が融合したもの。 等級が存在し、ブルダモン級以上の固体は周辺の時空間を歪め次元断層をつくり攻撃を防ぐことができる。 テンプレメンバーの攻撃は次元断層を突き破ることが可能 亜空間:この空間内だとバルディオスの移動速度は無限速になる(設定) なお、テンプレメンバーは亜空間内の戦闘でバルディオス移動に反応できたり攻撃を避けれる奴と同等以上の反応速度 オーバースキル:超能力のようなもの時間停止や読心能力など使用者によって異なる スパロボZのマス計算は最大ユニットの惑星サイズのゴーマ、一マス12000kmで計算 共通テンプレ:ソルグラヴィオンは惑星破壊可能な攻撃力で、他のテンプレメンバーもそれと同等の威力の攻撃力(効果範囲も惑星サイズ) 【名前】セツコ・オハラwithバルゴラ・グローリー 【属性】悲しみの乙女 【大きさ】19.8 m 54.4 t 【攻撃力】「悲しみの乙女のスフィア」が搭載された遠近問わず 戦える兵器ガナリー・カーバーを駆使して戦う ナウティラス・カーバー:ガナリー・カーバーのストックで突き出し、 バーレイ・サイズを展開、敵機を連続で斬り付ける。 トドメにジャック・カーバーを展開し、突き刺した後、一刀両断して締める。 威力は惑星破壊以上 射程60000km ザ・グローリー・スター:ガナリー・カーバーの出力を最大以上まで引き上げ、ビームで前方を薙ぎ払う攻撃。 威力は惑星破壊以上 射程は120000km 効果範囲は惑星三つ分 【防御力】惑星破壊並の攻撃に3発耐えられる 凍結攻撃、停止攻撃に耐性 【素早さ】反応及び戦闘速度は無限速 超距離移動はM.4400 【特殊能力】宇宙空間で戦闘可能 精神耐性:精神攻撃に耐性がつく ガード:ダメージを8割に抑える 【長所】無限速 【短所】乙女(笑) vol.4 参戦 ------------------------------------------------------------------------------------------------------- 100 名前:97[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 15 14 35.39 ID ffD+/1mi セツコ・オハラ考察 ~○サルバトーレ 惑星破壊勝ち ×アヤネ 表裏反転負け ○赤木カツミ ザ・グローリー・スター勝ち ○カグヅチ ザ・グローリー・スター勝ち ×マイメロ 移動速度がそんなに早くないから叩き潰され負け ×ちょび丸 突撃負け ○水鏡 圧倒的速度差で斬りまくって勝ち ×桜坂椎菜 ソーセージにされ負け ○魎呼 頑張って斬って勝ち ○ウーヌム ザ・グローリー・スター勝ち ○メグ ザ・グローリー・スター勝ち △村田郁美 倒せない倒されない ×ケルビウス BH負け ×ベルベット 吸収負け ×河合恵 でかすぎ負け ×D-アーネ 攻撃力高すぎ負け ×蔵女 腐食負け 無限速反応でも攻防速が微妙だしなぁ ケルビウス>村田郁美=セツコ・オハラ>メグwith巨大MEGAミックス
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ZEUTHは補給と休息ためバザーの開かれた街に立ち寄っていた。 危険と隣り合わせであるが皆、暫しの安息を楽しんでいた。 そんな中、シン・アスカは人目を避けミネルバを降り徒歩にて街に向かう、セツコ・オハラに会いに。 はじめに提案したのは、セツコだった。 二人で街に向かうのは皆の目もあり、良く無いと言うのだ。 シンは走る優しさと言うより、自己主張の乏しい彼女のもとに。 ホテルの中。 そのドアの内側でシンはセツコを抱きしめる。 不器用に ぎこちなく 力強く 「シ、シン君、服がシワになるから、服だけ脱がせてお願い」 セツコはシンに懇願した。 あっ、とシンは我に返った。 シンはセツコの手を引き奥に入って行く。 奥に入るとシンは電話でフロントと連絡を取ろうとしたが繋がらない。 「どうしたの?」 「ルームサービス予約してたんですけど?」 シンは上着を脱ぐとドアに向かう。「フロントまで行って来るんで待ってて下さい」 シンがドアを開ける同時に ドキューン 室内に銃声が響いた。 「ひっ!なに?シン君、どうしたの?」 室内のライトが消され鍵の閉まる音がした。 「シン君!シン君!」 セツコは叫びドア方向に駆けるシンに向かって。 影がセツコに忍び寄る。 「だ、誰?シン君!シんー・・・」 暗闇の中、侵入者はセツコの腕を取り壁に向かって押さえつけ。 顔に冷たいモノを当てる。 騒ぐなと言う事か。 「・・・だ、誰?、おお金なら差し上げますから、シン君を助けて・・・」 我ながら的外れな事を言ったと思う。 こんな世界だ、やるなら、とことんやるだろう。 (シン君ごめんなさい、私ここまでかも) その時パッとライトが着いた。 目の前に現れたのは赤い目の少年だった。 手にはケーキナイフが握られていた。 「セツコさん驚かせてごめんね」 シンはセツコを抱きしめる。 「・・・えっ・・えっ・・」 「ほらルームサービスも来てますから食べましょ」 シンが示した先にはケーキを中心とした豪華なディナーがあった。 「えっ!だって?」「音はコレですよ。イタズラ」 シンは携帯を取り出し音を鳴らす。 「・・・シン君・・・」 「は、はい」 シンは正直殴られるか、引っ張ったかれるか、噛みつかれるか、引っ掻かれるかと思っていたが。 抱きつかれた。 「シン君!よかった。シン君、無事で」 そのまま押し倒された。 「ううっ、シン君」 泣かれた。 涙がシンの顔を濡らす。 「あの~、セ・・・セツコさん」 「シン君シン君シン君」 聖夜は始まったばかり。 どっとはらい
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少し喉が乾いた。きっかけはその程度のことだった。食堂に行って水でも飲もう。食堂を選んだのは、喉を潤そうと思い立った場所から一番近かったからだ。 月の女神の名を冠した戦艦の中は、慣れ親しんだ我が家の様に把握している。ほどなく食堂につき、がらんとした食堂内でぽつんとテーブルの上に置かれている瓶に気づいた。クルーの誰かが忘れていったものだろうか。 ラベルは貼られていない。グラスに一杯注がれていて、びっしりと滴る水滴が喉を通った時の心地良さを保証していた。ひょっとしたら、休息の時に誰かが購入したミネラルウォーターかなにかなのだろうか。 照りつける太陽の下、良く冷えた水を呑んだ時の心地良さを思い出し、ごくりと喉を鳴らす。 ――ちょっとだけなら、構わないかな? ささやかな罪悪感は、潤いを求める自分の声の前に呆気なく敗北した。 十代の少年のものにしてはやや細めの手が、良く冷えたグラスを掴み、唇へと運んだ。それが、別の艦のクルーがこっそりと持ち込んだアルコールであると知るのは、思い切りよく喉を鳴らしてからだった。 「ぐへぇ!?」 とりあえず咽た。 ザフトの最新鋭艦ミネルバの廊下を、一人の女性が歩いていた。半舷休息となった際に、普段は乗っている船の艦長からちょっとした頼まれ事をしたからだ。 身に着けているのは黒を主体にした軍服らしい固い印象を受ける上衣。下は女性の歩みにつられて揺れるスカート。 一歩歩むたびに丈の短い黒の布地からは眩いまでの肌が覗き、女性が望まなくてもオス共の視線を引き付けるには十分すぎる魅力が、薄い煙の様にふりまかれている。 当の本人にそのような意図はあるまいが、うっすらと春の陽光の下で咲き、ほのかにぬくもりを帯びた風に散る桜の花びらの様な唇。 背に掛かるほどまで延びた茶の色が濃い黒髪は、淡風に揺れる極上の絹糸のようにさらさら、さらさらと女性の歩みに従順に従い揺れ、天使の輪を浮かべる光沢はその髪を梳く指に、吸いつくような手触りを与える事を約束している。 女性特有の柔らかな曲線を描く輪郭の中に、翡翠のもっとも純粋な一塊を象眼した様な瞳と、まるで恥じらうように控えめながら、美しいと称されるバランスを高い水準で体現した鼻梁のライン。 街を歩けば声を掛けてくる男にも、また嫉妬と羨望の視線を手がつかめそうな濃度で向けてくる女にも事欠かぬ美女であった。 その美貌を独占するために、春の陽光と夏の陽炎、秋の三日月と冬の雪とが争っても仕方が無いと見える。 美貌とは華やかなものだ。抜きん出た美というものは人の目を集め、それはやがて不幸を呼び、あるいは幸福を呼ぶ。 鼻が三センチ短かったら歴史が変わっていたというクレオパトラの末路や、断頭台の露と消えたマリー・アントワネットの最後の様に、時に“美”はその持ち主に運命という絶望と同意の不幸の影を落とす。 この女性の場合は、少なくとも幸福ではあるまい。野端に咲く一輪の花が恥じらう様な貌に時折揺れる仄暗い影は、決して光に包まれた幸福な人生の持ち主が纏う筈もない陰鬱さを孕んでいるではないか。 今は凛々しく引き締められた唇や、美眉は、苦しみに、悲しみに、怒りに、憎しみに、恐怖に、絶望に歪む時こそ最も美しく形を成すのではないだろうか。 痛みに苛まれ、涙を流し許しを懇願する女性の姿は、長く俗世と断絶した聖者の死滅した快楽中枢さえ刺激して淫蕩な誘惑となってもおかしくあるまい。 万人の精神の奥底に秘められた甘美なまでに危険で、あまりに魅力的な背徳の感情を揺さ振る影が、まるで伴侶の様に親しげに、女性の肩に見えない手を回しているのかもしれなかった。 足を止めた女性が、軍服に締め付けられて尚、砂糖菓子みたいに甘くふわふわと柔らかそうな曲線を描く胸の中から、小さくため息をついた。少し歩き疲れたらしい。 少し先に見えた自販機と長椅子のある休憩所で一休みしようと、小さく頷いてま歩き出す。 纏う雰囲気の故に、歩みを再開させた肉感的な肉体はどこか白霧の向こうの国の人の様に儚い印象を受ける。 軍服越しに描かれる曲線も悩ましい蜂腰と、その先にあるスカートの中で悩ましげに揺れる尻肉も、眩さが目に沁み入るほどに輝くすらりと伸びた足も、いざ手に触れようとしても空を掴んでしまうような、どこか遠い雰囲気を纏っていた。 ふと、自販機の前まで歩いていた足が止められた。電燈に落とされる女性の影もまた止まる。廊下の向こうからこちらへ歩いてくる顔見知りに気付いたからだ。 女性より二、三センチほど低い背丈に、ややサイズの合っていない、丈の長い軍服を着こんだ少年だ。 斬り裂かれた清純な乙女の肌にぽつりと浮いた血の珠の様に、澄み切った朱色の瞳は実年齢よりやや幼げで、少し聞かん坊めいた意地の強さがうかがえる。 ちっとも直そうとしない所為で、逆にトレードマークみたいになった跳ねっ毛の多い黒髪は、碌に手入れもされていないだろうに枝毛一つなく少年の白い肌にはらりとかかっている。 ときおりふらふらと揺れる足取りに、女性は少しだけ不思議そうな顔をして、どこか調子が悪いのかしら? と心中で首を捻ったが、こちらに気づいた少年の声に疑惑はかき消された。 「セツコさんじゃないですか? どうしてミネルバに?」 「ちょっとブライト艦長に頼まれ事をされたの。シン君は? 部屋に戻る所?」 「ええ、まあそんな所です。なんだか体が熱くって。ああ、そうだなんか飲みます? それ位ならおれが奢りますよ」 「そんな」 と、はにかむ様に笑って曖昧に遠慮するセツコを無視して、シンは自販機に指を伸ばしてドリンクを二本購入した。ごく普通のミネラルウォーターとアイスティーだった。 「どっちにします?」 「じゃあ、紅茶の方」 「はい」 「ありがとう」 「別にお礼言われるようなことじゃないですよ」 差し出されたアイスティーのボトルを受け取り、仕方ないなあ、と少しだけお姉さんぶるような雰囲気で礼を告げるセツコに、シンはこちらも微苦笑するようにして答えた。それからどちらから言うわけでもなく椅子に腰かけた。 セツコの隣に座ったシンの位置が、少しだけ近い様にセツコには思えた。といっても、隣に座るような経験が多いわけではない。ただ、なんとなくそう思っただけだ。それに不愉快さは唯の一片たりともなかった。 「シン君、いつもシミュレーターに付き合ってくれたり、戦闘で援護してくれてありがとう。シン君のおかげでずいぶん助けられてる」 「いいですよ、それ位。ZEUTHの仲間でしょ? それにフリーダムを撃墜する時の訓練でも手伝ってもらったし。それより無茶してないですか? ちゃんと休まないと帰って体に悪いですよ。この前だってシミュレーターの中で寝てたでしょう」 「知っていたの? 分かってはいるんだけれど、今の私じゃ、まだまだ力不足だから」 そう言うセツコに、シンは歯痒そうな顔を浮かべるが、どこか自嘲するように手に持ったアイスティーを見つめて顔を伏せるセツコは、シンの表情に気付いてはいなかった。 粛々と自分の運命を受け入れる生贄の祭壇に載せられた乙女の様子に、シンは決して良い感情を抱いてはいないようだった。 「セツコさんは、他の誰も真似できないってくらい一生懸命、頑張ってます、努力してます! おれだってフリーダムを落とす為の訓練をしてた時はかなり思い詰めてたけど、セツコさんはいつもそれが当たり前になっているじゃないですか! そんなの、いつまでも続くわけないじゃないですか、心よりも先に体が壊れちゃいますよ! もっと自分の事も大切にしてください」 「うん、ごめんね」 「謝るよりも実践してください。そしたらおれもこんな事言わないですから」 「いつもより厳しいね、シン君」 「セツコさんが意地っ張りだからです」 でも、もう私の体は――それから続く言葉を、セツコは心の中で押し殺した。この目の前の少年の気遣いは、言葉で飾らぬからこそより深くセツコの心に沁み入ってくる。 何の他意もなく純粋にセツコの事を案じるシンの言葉は、自暴自棄の影が差していたセツコの心に、寒風吹きすさぶ荒野の中で春のぬくもりを帯びた風に頬を撫でられたような、そんな暖かさを感じさせてくれた。 勢いよくキャップを開け、ごくごくと喉を鳴らしてミネラルウォーターを飲むシンの傍らで、セツコは言葉には出さぬ感謝の念を抱いていた。 ボトルから口を放したシンが、セツコの方を振り向き、真摯な顔で話しかけてきた。心なしか二人の顔の距離が近い。 「セツコさん、お願いだから自分の事を大切にしてください。セツコさんが傷ついたら皆が悲しみます。カミーユやルナや、勝平やガロードにロラン、レントンやエウレカだって。ZEUTHの皆がです。 みんな、セツコさんの事が大切なんだ。自分がそんな風に思われてるって、自覚あります? 悲しみを広げないために戦うって言うんなら、自分の事も大切にしてください」 「……ありがとう。でも、私が私自身の手で決着を着けなければいけない事もあるの。みんなが、私の事を心配してくれるのは本当に嬉しい。でも、それを分かっていても、私は私の為に、あの男との決着を着けなければいけないと思う。 私がグローリー・スターの一員で、その事が誇りである限り。私が味わった悲しみを他の誰かに広げない為に」 シンの赤い瞳に映ったセツコは、これだけは譲れないと、かつての気弱な影はどこにも見られない、凛とした――しかしどこか痛切な光を宿し、翡翠の瞳でシンの心と向き合っていた。 シンは、自分の言いたい事をセツコが理解してなお戦うという言葉に怒りを覚え、そしてすぐに別の感情が胸を占めた。同情……ではあるまい。分かってもらえぬ苛立ちや怒りの後に来た感情が何か、この時のシンには分からなかった。 重たいものが床に落ちて跳ねる音と、セツコの視界が唐突に揺れるのは同時だった。床に落ちたのはシンが手に持っていたミネラルウォーターのボトル。セツコの視界が揺れたのは、シンに体を強く強く抱きしめられていたから。 シン君が目の前から消えた。痛いくらいに力を込められた腕が、私の体を抱きしめている。右の視界の隅に黒髪と右の肩が映っている。右の耳に熱い吐息が、嗚咽を漏らすように吹きつけてくる。 とくん、とくん、と押し潰された乳房越しに心臓の鼓動が体の中を通って聞こえてくる。 これは誰の腕? これは誰の髪? これは誰の吐息? これは誰の心臓の音? ――シン君のだ。シン君の腕。シン君の髪。シン君の吐息。シン君の心臓の音。こんなに近くで、唐突に。どうして? 突然の事に困惑するセツコは、幼子に語りかける慈母の様に優しく、しかしどこか困惑の色を浮かべてシンの名を呼んだ。そこに男の性に対する嫌悪や畏怖の感情は混じってはいなかった。それは相手がシンだからだろうか? 「シン君?」 「……セツコさんが、どうしても戦いをやめないって言うんなら。おれがずっと隣で戦います。セツコさんを守ります。もう、誰もおれの目の前で失いたくない」 「……シン君」 セツコは思い出していた。チラムの首都を業火の中に飲み込んだあの忌わしきMSに乗っていた少女の事。ステラ・ルーシェ、ラテン語で星という意味を持つ名前の少女を、シンがどれだけ気に掛け、そしてその死を嘆いていたかを。 今も、ステラを手に掛けたフリーダムを斃した時の、シンの虚ろな笑い声はセツコの耳の奥にこびりついて離れない。 心のどこかを真っ暗な穴の中に落としてしまった人間だけが挙げる事の出来る、空っぽで、冷たくて、悲しくて、聞いている誰もが涙に暮れてしまうような、シンの笑い声を。 あの時のシンの笑い声は、この世にそれ以上はないというほどの悲しみと無力な自分への怒りと混ざり合った、シンの魂の挙げる悲鳴だ。 それがあまりにも痛々しくて、少しでもそれを癒してあげられない自分の無力に、セツコもまた悲しみに胸を痛めた。 だから、セツコの口から零れたのは、せめてもの、気休めというのも愚かな、優しい優しい嘘。 「大丈夫だよ。シン君の目の前から消えたりしないから。私は大丈夫。私にはZEUTHの皆も、シン君も居てくれる。私は一人じゃない。だから、大丈夫。ね?」 「……おれ、守らなくっちゃって、父さんも母さんもマユもステラも、おれが居たのに守れなかったから、だから、今度は、今度こそはって」 「うん」 意味を成さない言葉の羅列になり始めたシンの言葉を、セツコは聞き続けた。抱きしめられた時から、動かさずにいた腕をシンの背に回し、少しだけ躊躇するように手をひっこめてから、腕の中の赤子をあやす母親の様にシンの体を優しく抱きよせる。 シンの腕に込められた力が少しだけ緩められた。自分を慈しんでくれる母の腕の中にいるのだと悟った、子供の様に。 「おれ、守りたいです。ZEUTHの皆も、ミネルバの皆も」 「うん。シン君ならできるよ。シン君がすごく頑張っているって事、本当に、みんなの事を守りたいんだって思っているって事、私は知っているから。約束する。私は、シン君の目の前から消えたりしない」 「はい。……おれもセツコさんが頑張っているって事、知っています。セツコさんがホントに、本当に頑張っているって。だから、おれ、セツコさんの事守りたいです。セツコさんの努力を馬鹿にするやつも、傷つけようとするやつも、悲しませようとするやつからも。 セツコさんの近くでセツコさんの事を見てきたから、セツコさんの傍でセツコさんと戦ってきたから、セツコさんの隣にいたいから。おれは、セツコさんと、もっと、ずっと、一緒に……」 「……うん。ありがとう、シン君」 君は私の事を守りたいって言ってくれるけど、もう私の心を守ってくれているんだよ? 私を守りたいって言ってくれる君の言葉が、私の事を認めてくれる君の言葉が、私の居場所を教えてくれる君の言葉が、どんなに私の心を救ってくれているのか、きっと君は知らないよね。 だから、きっと君との約束を破ってしまう私を、君は許してくれないよね。 「……シン君?」 「……」 「眠っているの? そういえば、なんだかお酒臭い。こら、未成年はお酒を飲んじゃ駄目なのよ。……ふふ、でもシン君の寝顔、可愛いな」 セツコの肩に涙に濡れた顔を押しつけるようにして眠ってしまったシンの寝顔を、なんとか盗み見て、泣き疲れて眠るその姿に、セツコは穏やかな笑みを浮かべる。 シンの閉ざされた瞼から流れる涙を、喜びと悲しみの入り混じった瞳で見つめていた。 「シン君、私の為に泣いてくれるの? もしそうなら、もう私の為には泣かないで。私じゃなくて、もっと、シン君と一緒に未来を歩いていける人の為に、涙は取っておいて。私じゃあ、シン君の隣で一緒に未来を歩いてはいけないから」 浮かばせられる事ができたのなら、生涯の誇りにできるような、そんなセツコの笑顔。だが、そこには、決して未来を生きようとする人間が浮かべてはならない、破滅の足音を聞いた者のみが浮かべる滅びの美しさが、不吉な影のように浮かんでいた。 シンがセツコの肩を枕代わりにしてから一時間ほどして、シンは目を覚ました。 自分の背に腕を回したまま、安堵しきった無防備な顔で、規則正しい寝息を吐いていたシンが、不意にん、と声を零すと軽く頭を揺すって顔を起こした。 中途半端な睡眠で寝ぼけ眼のシンが、すぐ目の前に、それこそおでこがくっつくくらいの距離にあるセツコの顔に気づき、きょとんとした顔を浮かべる。状況の把握に、脳の処理速度が追い付いていないのだろう。 (シン君ってこんな顔もするんだ。可愛いって言ったら怒るかな?) 突然の緊急事態に硬直するシンに対し、抱きしめ合ったままの姿勢を一時間ほど維持していたセツコは、余裕さえ浮かべて目の前の、息のかかる所にあるシンに向けて微笑んだ。 「おはよう、シン君。目は醒めた?」 「…………え、う、あ。……セツコさん?」 「うん」 朗らかとさえいえる、どこかあどけない子供の様なセツコの返事を聞き、シンの首から耳の先までが瞬時に赤くなった。状況を理解し、人間瞬間湯沸かし器となったのだろう。 反射的にか、シンの腕に力が込められ、頭はのけぞりつつも、シンはセツコの体を思いきり抱き寄せた。互いの体の間で、軍服を大きく盛り上げるセツコの双乳が付きたての餅のように潰れる。 「ん、シン君。ちょっと痛いかな」 「え? ……うああああ、ごごごご、ごめんなさい!!!」 自分が何をしたのか悟ったシンは、まるで漫画の様にセツコの体を手放し、自分の体に回されていたセツコの腕を無意識の内に解いて、椅子から勢いよく飛び退る。 すっかり素面に戻っているようで、少し年上の美女に対して自分が何をしでかしたのかを悟って、顔いっぱいにごめんなさいごめんさない、と赤く書き散らしている。 セツコは、そんなシンの様子が面白くて、控え目ながらも鈴を転がすような小さな笑い声を零す。 「ふふ、気にしないで。私は気にしてないから。あ、レイ君の口癖が移ったのかな」 「あ、や、その、とととととにかく、ごめんなさい!!」 その場で九十度近く腰を曲げて、床に激突しそうな勢いで腰を曲げ、シンはセツコに背を向けて脱兎のごとく駆けだした。 まあ、シンがセツコを抱き枕にして眠っている間は、誰も通りがからなかったから、ラッキースケベだの何だのとシンがからかわれる事は無いだろう。 「そんなに慌てなくてもいいのに」 その背に向けて明るい笑みを零しながら、セツコは手の中に残るシンのぬくもりを感じていた。シンが頭を預けていた自分の右肩に触れる。濡れている。シンの流した涙の為だろう。 「あったかい。シン君は、体だけじゃなくて、涙も、心もあったかいね」 自分の右肩に手を当て残る腕で自分の体を抱きしめた。つい先ほどまでそこにあったぬくもりを忘れぬように、確かめる様に、そっと、しかし強く。そうしなければ、自分を支える事が出来ないとでも言うように。 「あったかいね。……あったかいよ」 セツコは笑みを浮かべながら、何時止まるとも知れぬ涙を流し続けた。 次へ進む
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12月も半ばミネルバは補給を受ける為、単機で行動中だった。 無論、市販品や共用品は足りているが、いわゆるワンオフ機、最高軍事機密級の補給となると、こういう形を取らざるしかない。 「艦長、臨時補給艦サンタ、見えました」 ミネルバの副長アーサーの声は弾んでいた。 「はしゃぎすぎよ、副長」 ミネルバ艦長のタリアは副長に釘をさす。 「補給は最も大切な軍事行動の一つよ」 「分かってますが、今回のは・・・」 タリアはフーッと一息つく。 「はいはい、補給後は、可能な限りの乗組員に半日の休息を与えるわ、これで、いいんでしょ、みんな」 ブリッジのクルーから歓声が湧く。 副長のアーサーもウンウンと、頷く。 (それにしても、補給艦にサンタなんて、あの人も、狙いすぎね) モビルスーツデッキ こちらも補給があるとの報せで、皆がソワソワしている。 「今回来るんだろ、アレ」 「来るって、郵便」 そんな、とりとめのない会話に、それまで、コックピットに乗りながら、軽快に、キーボードを叩いていた、シンの指先が止まる。 セツコは自身の機体の整備中にも関わらず、その動きを見逃さなった。 (シン君…) そんな中、メイリンの声で艦内アナウスが入る。 [ミネルバ着艦します。各員は衝撃に備えて下さい] それから、しばらくして艦内に着艦の衝撃が走る。 すでにメインハッチの前には、人だかりが出来ていた。 ハッチが開くと、郵便物のコンテナ、一番に届けられ、我先にと、飛びかっている。 いくら通信が発達したとはいえ、作戦行動中の戦艦にメールや電話を気軽には出来無い、やはり、最後の頼みは、郵便なのだ。 「ほら、お姉ちゃん、はやくはやく」 妹のメイリンに背中を押され、ルナマリアは、ハッチの前まで来た。 「絶対、お母さんから、手紙きてるって」 メイリンはとても、嬉しそうだ。 だがルナマリアは、そんな光景を、二階から見ている、シンを見ていた。 「シン・・・」 今まで何度も見てきた光景だった、だが絶対に慣れない光景。 「シン君・・・」 セツコは少年の背中に語り掛けた。シンはセツコの手を取ると、そのまま走り出した。 「シン君、待って、手が痛い・・・手が・・・」 セツコの声に耳を貸さず、そのまま走り続ける。 シンはそのまま、セツコの部屋の中に入ると、セツコを抱きしめ、その胸に顔をうずめ、膝まで崩れ落ちる。 ルームメイトのレイには、絶対に見られたく無い姿だった。 だから、ここに来た、だから、すがった、セツコに。 「・・セツコさん・・俺、自分が立ち直れるは、知ってます・・・」 シンは泣いてる。 「でも、いまだけは・・・こうさせて下さい・・・」 そのままセツコを押し倒し、泣き続けるシン、セツコの胸の中で。 「・・・父さん・・・母さん・・・マユ・・・」 セツコはシンを抱きしめ、頭を撫で続けた、シンが眠るまでずっと。
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月光号 コンビニ前 「レントン君、こんにちは」 「あ、セツコさん、いらっしゃい」 レントンは元気に挨拶した。 「今日も、甘いお菓子ですか?」 にっこり微笑むセツコ。 「それもだけど・・・」 少し考え、顔をレントンに近付けるセツコ。 「・・・頼んでたモノ、入ってる?」 レントンは、ハッした。 「あっ!今日入りましたよ!」 レントンは奥から小包大の箱をセツコに差し出す。 「でも、こんな大量の傷薬、何に使うんですか?料理とか?」 レントンがセツコに目を向けると。 セツコは直立不動の姿勢で固まり口をパクパクさせていた。 ウワッと、レントンは一歩引いた。 (・・・言えない、言えないよ、私がシン君の背中をズタズタに引っ掻いて、挙げ句、最近は噛みついて肩をボロボロにしてるなんて) 「あの~?セツコさん?」 レントンがセツコの目の前で、手のひらを左右に振る。 「・・・コ・・コレハネ、ワタシタチ、パイロットテ、ケガガオオイジャナイ?」 「確かに!」 レントンは目をキラキラと輝かせ、セツコを見る。 「予想外の事にも、対策を立てる、それが、一流パイロットの条件なんですね?」 「・・・ソ・・ソウヨ・・」 (・・み・・見ないで、そんな目で、私を見ないで…) 「それじゃ、セツコさん、10BSです」 震える手で代金を渡すセツコ。 「ありがとうございました」 純真無垢な眼差しはセツコの姿が見えなくなるまで向けられた。 この夜セツコは、どうしても泣き止まず、シンは途方に暮れたという。 どっとはらい レントン「あ、そう言えば」 セツコ「?何かな?」 レントン「数日前、シンさんが飴玉買っていったんだっけ…」 セツコ「へ~……(はっ!?)あ、あの、それってイチゴ味だった?」 レントン「そうですよ。あ、一緒に舐めたんですね。」 セツコ「そそそそうなの!あ、あははは…」 ~二日前~ セツコ「ん…はぁっ、シン君、キスで飴玉口に入れるなんて…ヤラしい…///」 シン「ハハ…セツコさんの舌のリハビリも兼ねて、ちょっと。」 セツコ「舌のリハビリって…毎晩、してるよ…」 シン「そうでしたね。じゃあ、今晩も―――」
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白ウサギ「う~む…」 お姉さん「白ウサギ君?眉間に皺が寄ってますわよ?」 白ウサギ「む、お姉さん」 お姉さん「そんな顔ではテレビの前の小さなお友達から大きなお友達まで困ってしまいますわよ?」 白ウサギ「いえ…黒ウサギの結婚式の仲人をどちらがするのか青ウサギと揉めてまして」 お姉さん「マジメンドクセェ…ですわ。もうサンドマン夫妻にお願いするのが無難ではありません?」 白ウサギ「いえ、無難とか妥協という言葉はルナマリアの射撃の腕についてならばともかく、黒ウサギの結婚式には出来ません」 お姉さん「はぁ~…じゃあもういっそ白ウサギ君が女装して青ウサギ君とセットで仲人でもしたらどうですの」(超投げやり) 白ウサギ「!!」 お姉さん「え?何で『それだッ!!』っていう顔をしてますの!?ここ突っ込むところですわよ!? 黒ウサギ君ならすかさず『BLネタも女装ネタもお腹一杯だよ!!ていうか人の結婚式を コスプレパーティー的なノリにすんなよ!!』とか激しくスズヴォイスでツッコミ入れてますわよ!!」 『3、2、1!どっかーん!!わ~い!! なぜなにZEUTH~』(ナレーション:ホーク姉妹、題字:タリア艦長) お姉さん「おーい!みんな~集まれーー!!なぜなにZEUTHが始まるよ~!!」 白ウサギ「集まれ~」 お姉さん「さて、今回は初心に戻りましてお便りを読み上げたいと思いま~す」 白ウサギ「仲人問題も無事解決したしな」 お姉さん「しましたの!?」 白ウサギ「ただ筋肉質なもので、カクテルドレスが似合わないんですよ」 お姉さん「聞きたかねぇですわ、そんなこと…」 白ウサギ「それで、お便りを読まなくても宜しいのですか?」 お姉さん「お便りは大分前にあった222さん基『愛の勇者』さんからですわ 『お姉さん、白ウサギさんこんにちは。黒ウサギ君がいなくなって番組も随分寂しくなりましたが、一つ疑問があります。黒ウサギ君大好きなガイアさんに黒ウサギ君は食べられたりしないのでしょうか?性的な意味で。』というものですわ」 白ウサギ「そういえば彼女はまだ出てきてませんでしたね」 お姉さん「女性関係の清算はとても大切なことですわ~必ずしも恋敵が最終回で撃墜されるとは限りませんものね…」 白ウサギ「さらっとヘヴィーな事をおっしゃいましたね」 お姉さん「まぁ、シャッキリぽんと解決するには、ここでうだうだ話しているよりも、とっととこちらのVTRを観やがれですわ」 白ウサギ「お姉さん、黒ウサギがいなくなってから何だか投げやりになりましたね…」 ~VTR~ ステラ『……この中に赤ちゃんいるの?』 セツコ『そうよ?ほら耳をつけてみて』 ステラ『わぁ…動いてる…どうして出てこないの?ステラ、シンとセツコの赤ちゃん見たい…かくれんぼしてるの?』 セツコ『うふふふ、もう少ししたら出てくるわよ。今はまだ小さいからこうしてお腹の中で私とシン君が守ってるの』 ステラ『守る…』 セツコ『赤ちゃんが生まれればステラちゃんもお姉ちゃんね』 ステラ『ステラがお姉ちゃん…?』 シン『セツコさん。ブロッコリーとアスパラのサラダ。あとグレープフルーツ。妊娠中はコレが良いんだって』 セツコ『ありがとうシン君。あ~ん♪』 シン『ちょ、セツコさんッ!?ステラが見てる前で……』 セツコ『あ~ん♪♪』 シン『………わかりましたよ。ハイ、あ~ん』 ステラ『シン、シン。ステラも。ステラにもして』 シン『ハイハイ、ステラは甘えん坊だな。ハイ、あ~ん』 ステラ『あ~ん♪』 シン『美味しい?』 セツコ『うん、とっても』 ステラ『シンの料理…いつも美味しい』 ヴーッ、ヴーッ、ヴーッ シン『敵襲!?』 セツコ『また新連邦の残存勢力かしら……』 シン『セツコさん…』 セツコ『うん、行って来て…私は大丈夫』 シン『ゴメン……ん?』 ぐいぐい シン『ステラ?』 ステラ『シン…ここに残る。ステラが出る。シン、ステラ守ってくれた。だから今度はステラが守る。シンとセツコと、赤ちゃん』 シン『ステラ…』 セツコ『ステラちゃん…』 ステラ『ステラ、お姉ちゃんになるから。赤ちゃん守る』 お姉さん「涙で前が見えませんわ…」 白ウサギ「ううッ…シン、良い子を持って…グスッ…」 お姉さん「グズグズッ……ズズッ…白ウサギ君…お父さんみたいな目になってますわよ?」 白ウサギ「お姉さんこそ」 お姉さん・白ウサギ「ううッ…ま、まった、ズズ…まっ種~~」 前へ戻る 次へ進む
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「「ぷ~にょ、ぷにょぷにょ~てんしのこ~♪あおいそらから~おちてきた~♪♪」」 形の良い小さな頭をメトロノームのように揺らせ、娘達の舌足らずの歌声に後ろを歩くシンとセツコの口元が緩む。 父親と母親ソックリの亜麻色の髪と黒髪を揺らせる幼い少女達に、道行く人々も微笑ましげに見ている。 少女達の容姿がまた、同年代の子供達と比べても群を抜いて整っており、無垢な歌声と合わさりまるで天使のように 人々の目には映っていた。 「パパ~~私のお歌ど~お?」 亜麻色の長い髪の、二人の内年上の少女が振り返り、真っ赤なルビーさえも及ばぬ輝きを持った大きな瞳をキラキラ と輝かせてシンに満面の笑みを向ける。 それにつられてシンもまた、柔らかく、見る者全てを温かく安心させる笑みを向ける。 「お~お、上手だぞ~」 「えへへへへ ~~♪♪」 頬を薄っすらと桃色に染めると、少女は再び妹の手を取ったまま、前を向いて歌い始める。 その際、瞳の色以外、父親ソックリの妹が、父親にべったりな姉にこっそりと溜め息を吐いたのは余談である。 「うふふ、可愛いわね」 左手に紙袋を持ったセツコが右腕をシンの左腕に絡めながら手を繋いで仲良く歩く娘達の愛らしさを、星色の瞳に暖かな 翡翠の灯りを点した眼差しで見つめる。妻の言葉に、ともすれば他者に畏怖の念を抱かせがちな紅の瞳を夕焼けのように 優しく揺らせて見つめながらシンは頷く。 「可愛い!可愛過ぎる!!羽根を失くした天使が二人歩いてる…こうしてちゃんと見ておかないとすぐに攫われるぞ…」 だらしなく頬を緩ませた父親の顔をソックリそのままコピーしたような赤ん坊は、その右腕に抱きかかえられながら、 不思議そうに兎のようだと言われる赤い瞳をパチパチとさせながら見上げている。 娘に対して親馬鹿っプリを隠すことの無いシンに呆れたように苦笑するセツコは、通りすがりの女性達の反応を何気なく 目にして、思わず顔を顰める。鴉の濡れ羽色の髪に、男性としては色白で細身の身体に、血を垂らしたようにアクセント として赤い瞳を持つシンの容姿は街中であっても異彩を放つ。それはキラ・ヤマトのような童話に出てくるような王子然 としたルックスとは対照的な、吸血鬼のような妖しい空気を醸し出している為、その空気にあてられたように女性達の目 を引く。そして、次にシンの腕の中の彼ソックリの赤ん坊に目をやると母性を刺激されたように頬を緩める。 セツコお手製の黒いウサギのベビー服は、ウサ耳のフード付で、ひどく愛らしい。 そして、最後にその傍らのセツコを嫉妬、嫉みの視線で一瞥していくのだ。 セツコは口をへの字にすると、わざと見せ付けるように、所有権の一切が自分にあるのだと主張するように、絡めている 腕に一層の力を込める。お餅のように柔らかく、豊満な胸が押し付けられシンは笑みを浮かべながらセツコを見下ろす。 「どうしたんだよ、セツコ?」 「何でもないよ」 「そうか~?」 セツコの思惑に気付いていながらも意地の悪い笑みを浮かべるシンに、セツコは頬を膨らませて可愛らしく睨み付ける。 セツコは気付いていないが、セツコもまた道行く男達の視線に曝されていた。 亜麻色を溶かした黒髪は、素材からして特別なもので出来ているのではないのかと思うような艶やかさと滑らかさを持ち、 歩く度にさらさらと揺れる。肌は触らずとも柔らかくキメ細やかであろう事が伺える桃のようで、ぷっくりとした桜色の 唇は瑞々しく、男の本能を刺激する程に艶めかしい。 何よりも、人目を引くその瞳は、翡翠の輝きも足元に及ばぬ程に精密で巧緻な煌きを湛え、どのような表情を浮かべたとしても、 光の当て方により輝きを変化させる宝石のようであり、その瞳を幸福と喜びに輝いている。 その輝きに目を奪われた男達は、シンに嫉妬の目を向けるものの、ある者は幸福に蕩けきった彼女に、付け入る処が 無いと悟り、ある者はセツコを下卑た目で見ているのをシンの紅蓮の瞳によって、殺気すら伴った威嚇を受けそそくさと 視線を逸らしていた。 シンへの女性の視線にヤキモチを焼いてシンに、一層の力を込めてくっ付いているセツコは当然自分に向けられている視線 に気付いていなければ、そんなセツコを愛しく思い、またそんな彼女を独占している事に、シンが優越感を抱いている事に も気付いていない。 「セツコはいつになっても可愛いな~」 「何馬鹿なこと言ってるのよ」 そう言いつつも絡めた腕を一向に解こうとしないセツコに、シンは喉を震わせてクックックと笑う。 ◇ 「ああ~~!!パパ、またママとばっかりイチャイチャしてる~~!!」 いつの間にか、少女達は立ち止まってシンとセツコの方を向いていた。 妹はともかく、母親ソックリの娘は新婚の空気から脱しきらない両親を『面白くないです!!』と頬をリスのように膨らませて 全身でアピールしている。 「ゴメンね~でもママはパパのお嫁さんだからいいのよ」 セツコはからかうように娘に語りかける。娘の反応を楽しんでいるというのが一番大きい点ではあるのだが、自分に中身まで ソックリと仲間内からも評判の一番上の娘に対して、セツコは度々大人気無い事を言う。 少女は、むぅ~と唇をアヒルのように尖らせると、妹の手を引っ張ったまま走り寄ると、無理矢理シンとセツコの間に割り込む。 「パパ、お手て繋いで!!」 むん、とやけに力強く差し出された手に、シンは苦笑を漏らしながら絡めていた腕を解くようにセツコに視線で語りかける。 セツコも、くすくすと笑いながら腕を解き、下の娘の手を握ってやる。 母の手から父を奪還した事と、右手に力強いシンの温もりを得られた事に母親譲りの柔らかな顔立ちをにへらと緩ませる。 そんな娘が可愛くて仕方がないシンは、ぎゅっと痛くない程度に握ってやる。 親子四人仲良く手を繋ぐ格好となってしばらくして、シン達は目的の場所に辿り付く。 そこは、工場と住居が隣接した建物であり、今日は工場の方は閉められているようであった。 「ガロードいるよな」 「うん、ロラン君も来てるって言ってたわよ?」 「へぇ~ロランか~久し振りだな」 シンは、プラチナブロンドの中性的な顔立ちの友人を思い浮かべる。 シンと手を繋いだまま少女は目をくりくりとさせる。 「ローラお姉ちゃんもきてるの~?」 「お姉ちゃん、ロランお兄ちゃんだよ…」 すかざす妹が姉の勘違いに訂正を入れる。そんな姉妹に吹き出しそうになりながら、セツコはドアのチャイムを鳴らす。 暫らくすると、インターフォンのスピーカーからは鈴のような透き通るような声がする。 『ハイ……あ、セツコさん。シンも』 スピーカーからはガロードの妻、ティファの嬉しそうな声が流れ、大した間を置かずに扉が開けられる。 「いらっしゃい!!シン、セツコさん」 「オス、ガロード!!来てやったぞ」 「こんにちはガロード君」 日に焼け、健康的な肌に快活な笑みを浮かべたガロードが勢い良く扉を開けてシン達を出迎える。 「おす、ガロードお兄ちゃん!!」 「こんにちはガロードお兄ちゃん」 ガロードは、ニカッと豪快な笑みを浮かべると、姉妹の頭を力強くわしゃわしゃと撫で回す。 「おう、おチビちゃん達も元気そうだな!!」 「きゃ~髪が乱れる~」 「ガロードお兄ちゃん…痛い…」 髪の毛をぼさぼさにされ、少女達が批難の声を上げる。 しかし、ガロードは、悪い悪いと大して悪いと思っていない笑顔で少女達の頭にぽんぽんと手を置く。 家に上がると、シン達はリビングのソファーで編み物をしているティファと、それを手伝っているロランの姿を目にする。 「オッス、ティファ、ロラン」 「シン!!それにセツコさんも」 相変わらず中性的な雰囲気を持つ青年に、シンは気安く声をかける。 「ローラお姉ちゃんこんにちは~」 一番上の少女の挨拶に、褐色の青年は微かに穏やかな笑顔を引き攣らせると、しゃがみ込んで、少女の赤い瞳と同じ目線に あわせると、噛んでよく含めるように優しく、ゆっくりと語り掛ける。 「………あのですね、お嬢さん。僕はだからお姉ちゃんじゃなくて、お兄ちゃんなんですよ~?」 しかし、赤い瞳をパチパチと瞬かせると、亜麻色の髪を揺らしながら少女は小首を傾げる。 「でも、ガロードお兄ちゃんは『ローラお姉ちゃんでもまちがってないぜ!!』って前に言ってたよ~?」 少女の無垢な瞳に、にっこりと微笑みを返すと、ロランは静かに立ち上がり、背後で明後日の方を見ているガロードに目をやる。 「ガロード……少し、向こうで話しましょうか……」 「い、いや、だから、落ち着けってロラン!!オレはちょっとしたジョークをだな…」 「君は純粋な小さな子に何を話してるんですか…」 ◇ 売られていく牛のように、ロランに引きづられて行くガロードの事をすぐに意識の外に追いやると、シン達は一連のやり取りを 楽しそうに見つめていたティファに向き直る。 「身体の方は大丈夫そうねティファちゃん。あ、これ、お土産」 そう言ってセツコは持っていた紙袋を手渡す。 中を覗いて、ティファの頬が和らぐ。 「ありがとう…」 「男の子だって、聞いたから男の子用のベビー服」 にっこりと微笑みを浮かべるセツコに、微かに瞳を潤ませながらティファは軽く頭を下げる。 「「ティファお姉ちゃんこんにちは~」」 「うふふふ、こんにちは」 ちょこんと、行儀良く仲良く下げられた二つの頭に、ティファは優しい瞳を向けると、真似るように丁寧にお辞儀をする。 「お姉ちゃん、お腹大きい~~!!」 「赤ちゃんが入ってるんだ~」 姉妹の言葉通り、ティファのお腹は既にもうすぐ産まれるであろう事が伺える程に大きく育っていた。 シンは、元々お淑やかなティファの顔に、何処か以前とは異なる芯の強さと温かさが宿りつつ在る事に気付く。 元来、そういった機微には疎い方ではあるが、セツコがそうであったように、ティファにも同じ変化が見られている事に、 もうすぐ彼女も母親になるのか、と妙な感慨深さを覚える。 「何を編んでたの?」 セツコがティファの手元を覗き込むと、ティファは頬を薔薇色に染めながら、恥かしげに手の中の物を見せる。 「赤ちゃんの靴下を…」 それは、小さな青い毛糸の靴下だった。 「わぁ、可愛いッ」 「へぇ……上手いもんだ」 シンも思わず感心したように覗き込む。最初の子供が出来たときのセツコが編んだ物よりもかなり出来が良いといえた。 もっとも、そんな事は口が裂けても言えないな、と思いつつ。 「ロランに教わってたんです……」 「アイツ……本当にこういうの器用だな……」 同じガンダムのパイロットとは思えぬ戦友の器用さに、シンは呆れと感心の入り混じった声を上げる。 セツコはわくわくしたようにティファの顔を覗き込む。 「それで、いつ頃生まれそうなの?」 ティファは穢れない少女のように、処女雪の肌を染めると、恥かしそうに、けれども喜びを抑えきれぬようにそうっと呟く。 「このまま順調に行けば……その、クリスマスに……」 「クリスマスだなんて、素敵ね」 「ティファお姉ちゃんの赤ちゃんクリスマスにやって来るの~?」 「サンタさんがプレゼントしてくれるの~?」 純粋に好奇心を湛えた無垢な瞳を優しく見つめ返すと、微笑を浮かべてティファは小さく頷く。 「そうよ。サンタさんがお姉ちゃんとお兄ちゃんに赤ちゃんをプレゼントしてくれるのよ。仲良くしてくれる?」 「うん!!仲良くする」 「わたし、レイお兄ちゃんに教えてもらったの。クリスマスの曲。赤ちゃんきかせてあげるね」 「うふふ、ありがとう」 娘達とティファのやり取りを見つめると、シンとセツコはお互いに顔を合わせて笑い合う。 これから更に騒がしくなりそうな日々が、けれどもどうしようもなく楽しく、幸せな、喜ぶべき日々になるであろうと そう確信しつつ笑い合う。 リビングから離れた所から聞こえるガロードの悲鳴らしきものが聞こえた気がしたが、シンは気にしないことにした。 前へ戻る 次へ進む
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ステラ「シンが……ステラのお兄ちゃんじゃない?」 セツコ「ええ、実はシン君と私達、本当の家族じゃないの」 ステラ「じゃあ、ステラ……シンと結婚出来る(ニコ)」 セツコ「ステラちゃん………!」 ラクス「シン。誰ですのその人は!」 シン「え、彼女は」 フェイ「彼女よ。残念だったわねラクス・クライン」 ラクス「!」 シン「ち、違う!俺達はそんな関係じゃ!」 エイジ「知ってますか?シンに彼女が出来たそうですよ」 セツコ「え、あ、そうなの……(どうてだろう………胸がチクリとする)」 シン「俺が何をしたんだ………ラクス……それにフェイさんか………あ」 琉菜「(あ、あれはシン君だ)」 シン「セツコ姉さんとエイジ。一体何を話てるんだ?」 琉菜「あ、あのシン君……」 シン「ん、あんたは」 キラ「(ホクホク)今日は……(ホクホク)色々と急展開だね」 キラケン「(ホクホク)じゃな。しかし…(ホクホク)……うまい焼き芋じゃ」 アスラン「(ホクホク)……これ何角関係だ」 ルナマリア「(ホクホク)私としては……(ホクホク)琉菜ちゃんに頑張って欲しいわ」 アムロ「(もうみんな普通にドラマに入って来てるな)」 ラクス「ふう、やっと収録が終わりましたわ。……あらシン、何を読んでらっしゃるのですか?」 シン「番組表ですよ。俺たちの番組の裏に何やってるのかと思って。そしたら強敵が」 ラクス「強敵?」 シン「見ます?どうぞ」 つ番組表 ラクス「ありがとう。……あら、これは…」 格付けし合う女たち~IN ZEUTH~ 司会:アサキム 出演者:ハマーン、レコア、タルホ、マリュー、タリア、ルナマリア、エーデル(本性)、セツコ、ツィーネ、麗花 ラクス「超見たいですわ」 シン「というかこのメンツにセツコさん入れて何をしろと」 ラクス「シン………私は……あなたの隣に相応しくないのですね」 ???「君、泣いてるの?」 ラクス「………え」 キラ(志○の白鳥スタイル)「笑って」 ラクス「………プ」 キラ「フフ、良かった。君には笑顔の方が似合ってるよ」 ラクス「え?」 キラ「良かったらこれ」 ラクス「これは……」 キラ「僕のお笑いライブのチケットだよ。良かったら見に来てね」 ラクス「シン」 シン「………ラクス。話って…」 ラクス「シン。私、あなたのことが好きですわ」 シン「………ありがとう。でもごめん。俺、俺……」 ラクス「ううん、いいんです。私、わかってましたから」 シン「ラクス」 ラクス「シンは私のことをそんな風に見ていないって……薄々わかってましたわ」 シン「………ごめん」 ラクス「………シン。最後に……一つだけ」 シン「ラク……ス」 シンとラクスのキスシーン ラクス「ありがとう………ですわ。明日からいつもの私達になりましょう」 シン「…………ごめん」 ラクス「もう、謝るのはなしですわ。それじゃあ私はこれからお笑いライブを見に行くので」 シン「………ラクス。俺、最低だな」 キラ「(ズルズル)僕の出番ってあれだけかな?」 キラケン「(ズルズル)まだいいわい。わしの出番なんかカットされとるわ」 ルナマリア「(ズルズル)ラクス様………可哀想……(蕎麦すすりながら泣いてる)」 アスラン「(ズルズル)1クールピッタリで幼なじみ脱落か。次回からはどうなるのかな?」 シン「セツコさん………あれはドラマで演技なんですよ。だから機嫌直してください」 セツコ「………」 シン「俺はセツコさんだけですって。だからもうふてくされるのは止めてくださいよ」 ツィーネ「ラクスの唇はどうだった」 シン「柔らか………嫌々、セツコさんが一番………ってセツコさん待って!話せばわかるって!!」 アムロ「声が走った!」ピキーン クワトロ「顔は止めろ!ボディにするんだ!」ピキーン ハマーン「次回収録出来るか?」ピキーン
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男としては間違いなく色白の部類に入るシンの手が操縦桿を八つ当たり気味に殴りつける。 「くそッ…」 思わず口を突いて出た舌打ちがシミューレーター内で木霊する。 炎の揺らぎを閉じ込めたような瞳でいくら眼前のモニターを睨み付けたところで結果は変わらないとは知りつつも、シンはそうせずにはいられなかった。 モニターに映るスコアにはこの数時間の彼の努力を証明するスコアが彼の名と共に列記されている。しかし、シンにとってはそんな事は何の慰めにもならなかった。 彼の上に記されている無記名のスコアが、誰の叩き出したものであるのかを知っているだけに苛立ちは募る。シンにとっては理想論を振りかざしているだけにしか映らない出戻りの上官のスコアを抜くことが出来ないという事実がそのまま、彼の綺麗事よりも自分の方が間違っていると言われているようで堪らなく不愉快であった。 一息入れようかと、シミュレーターの外に出ると、デッキ内においてもそうであるとわかる朝特有の喧騒と、明かりにシンはウッカリと徹夜をしてしまっていた事に気付いた。 普段はセツコ・オハラを始めとした他のZEUTHの仲間達によって中々独占させてもらえないシミュレーターを使うために夜中にこっそりと忍び込んで使用していたが、彼のスコアを抜く事に躍起になっていつしか朝になっていたようだった。 朝だと自覚した途端、夜通し酷使した身体が鉛のように重く感じる。 煮だった思考と集中力の限界を感じ、シンは渋々ながらも訓練を切り上げる事にする。 徹夜をしていた等と鉄也やタリアにでも見つかればうるさいだろうと思い、早々に朝食にでもしようとしたところで、シンは自分を見つめる視線に気付き、視線の方向に向き直ると、視線の主は慌てたように身を隠す。 「………」 きっと本人は大真面目に隠れているつもりなのだろう。 それはシンにもよく理解出来た。しかし、ハッキリと言ってバレバレだった。 小さな頭に大きすぎる帽子がMSの脚から覗いていたし、何よりも彼女とセットで彼女をマスコットたらしめている三匹の白い動物の尻尾が思い切りはみ出していた。本人は、シンが自分の方を向いていないことを確認するためか暫らくしてからそうっとMSの陰から顔を覗かせた。そうしてシンの瞳とパッチリと視線を合わせる羽目になってしまったのはメダイユ公爵の娘、アナ・メダイユ姫であった。 シアンの花の可憐さを思わせる紫色の大きな瞳が見開かれるのを見ながら、シンは「またかよ…」と思わず呟いてしまった。 ◇ セツコは早朝にも関わらず足早に艦内を歩いていた。 朝早く、人が混み合わぬうちにシミュレーターを使っての訓練を行ってしまいたかったからだ。 他の仲間達と比較しても技量にも経験にも見劣りのする自分の実力を少しでも底上げしてしまいたいという焦りがあった。 何としても、彼女にはそうすべき理由があった。 自分に恐怖を刻み込んだ男、自分の敬愛する上官と、憧れを抱いていた仲間の命を奪った怨敵を討つ為には自分に時間は足りない事はあっても決して余裕等、ありはしなかった。しかし、そんな焦燥に駆られるセツコの背に声をかける者がいた。 「あ、セツコさ~ん」 声の方に振り向くと、そこにはザフトの赤い服に身を包んだ赤毛の少女とグランナイツの最年長の長女的な存在ともいえる女性がいた。 不思議な取り合わせだなと思いつつも、シミュレーター訓練をさておき、素直にセツコは声をかけられた方へと赴く。 「おはよう、ルナマリアさん、ミヅキさん」 「おはようございます」 「おはよう、早いのねセツコ」 妖艶さを隠そうともしない美女は、艶やかに笑みを浮かべる。一方で、ルナマリアは眠気が抜けきらぬといった様子である。 「そちらこそお早いですね」 「私は朝のシャワーを浴びてきたところよ」 どうりで、うっすらと上気した肌から、湯上り特有の色香を放っているわけだとセツコは一人納得する。 ルナマリアはどこか困ったようにセツコを見る。 「あの、セツコさん……シンの奴見てません?」 「シン君?」 セツコの脳裏に、負けん気の強さ、跳ね返りの強さを湛え、常に鋭く紅の瞳を吊り上げた少年の顔が思い浮かぶ。 根は優しいのに、それを見せることを嫌うような、人に隙を見せるのを嫌うように常に周囲に警戒をしている野良猫のような少年。 「あの馬鹿……今日は早朝でブリーフィングがあるって艦長が言ってたのに…」 「私も丁度シャワーを浴び終わった所で捕まってね」 そう言ってミヅキは苦笑するものの、人選は間違っていないと思った。 彼女はシンのような生意気盛りの少年をするりと受け流し、手玉に取るのに長けているのは既に周知の事実であった。 故に、ルナマリアは何らかの形で力を借りる可能性を考慮して彼女に声をかけたのだろう。 「部屋に行ってもいないし、レイも知らないって言うし…」 「食堂にもいなかったの?」 「ハイ……」 「どっかに逢引にでも出かけてそのまま朝帰りとか……」 「「ミヅキさん!!」」 「冗談よ……ていうか何でセツコまで?」 「不謹慎ですよ、シン君は真面目な子なんですから」 アムロやクワトロが危ぶむほどに、カミーユが心配するほどに一途で純粋なシンの本質はセツコにもよくわかっていた。 それ故に視野狭窄に陥ってしまうのではないのかと、無鉄砲な弟を持った姉のような心境になる。 「ふ~~ん……だったらトレーニングとか?」 「シンがぁ?アイツ朝弱いんですよ?」 ルナマリアは、何も知らないんですねと言わんばかりに鼻で笑ったが、ふとセツコの脳裏にシミュレーターのスコアを睨み付けていたシンの姿がよぎる。おそらく、彼の上官、アスラン・ザラの弾き出したとんでもないスコアに対抗心を燃やしていたのだろう。 シンがアスランの実力に半ば敬意を持っているのも、アスランがシンに期待しているのもわかるというのに本人達は互いに言葉が足らずに擦れ違いを繰り返す二人は、傍から見ていて何とももどかしいものがあった。 どちらも弁が立つタイプでは無い上に、シンは頑固で短気な気性を持っている。 更には、反発の原動力と化してしまっているのは、彼の祖国にアスランが身を置いていたことだろう。 セツコは二人の間を取り持つような年長の上官がいないことが惜しいと思っていた。 自分にとってのデンゼルのように、尊敬すべき上官であると共に、どこか父性を感じさせるような存在がいればもっと違うだろうに。 現に、シンはアムロやクワトロといった歴戦の勇者ともいえる年長の者の言葉には、コチラが可愛らしいと思うほどに素直に耳を傾ける。 「シミュレーター…シミュレーターかも……」 思わず呟いたセツコの言葉にルナマリアが眉を顰める。 「こんな朝早くにシンがシミュレーターですか?でもこの時間だとまだ稼動してませんよ?」 「でも自分で起動させれば使えますよ?」 「そうね、セツコもよくやってるものね……」 「ッ!?知ってたんですか!?」 「ホントにやってたの………?」 見事にカマかけに引っかかったセツコは、自分に向けられる呆れた二人の視線に頬を赤くする。 最低限の休息を命じられているパイロットは、本来勝手にシミュレーターの起動を認められていない。 「まぁ、セツコの問題はとりあえず置いておくとして、そこはまだ探していないなら行ってみるだけ行ってみましょう。遅刻してシンが怒られちゃったらその時はお姉さんがハグハグして慰めてあげればいいわけだしね」 「シンはそこまで子供じゃありません!!」 ルナマリアがムキになって食って掛かるが、ミヅキはそれを楽しそうに笑って受け流す。 セツコは、不意にミヅキに抱き締められて、頭を撫でられているシンを想像して、微笑ましいのと同時に、何か胸に引っかかるものを感じた。 「じゃあとりあえず行きましょうか?」 「…え?ええ、ハイ、そうですね」 胸にモヤモヤとしたものの正体がわからず、セツコは曖昧に頷きながら二人の後に続く。 ◇ 「わぁ~スゴイです、スゴイです!!シン、もっと高く飛んで下さい!!」 「ハイハイ、了解」 膝の上で華やいだ声を弾ませるアナ苦笑を浮かべながら、シンは操縦桿を引き、ゆっくりとフットペダルを踏み込む。 モニター景色の動きに合わせて、かかる重力が変化していく。シンは膝の上の幼い少女の身体に出来る限り負担をかけぬように細心の注意を払う。しかし、そんなシンの心配が杞憂であるかのようにアナは一段と弾んだ声を上げる。 今二人がいるのはMSのコックピット ―――― ではなく、シミュレーターの中であった。 設定はMS操縦の初心者ようのフライトシミュレーションにして、ただ空を滑空しているだけであるのだが、それでも膝の上の少女にはリアルに再現された大空を飛び立つ感覚は驚きと、楽しさに満ちているのであろう。 初めてゲイナーがキングゲイナーを操縦した時も、戻した彼と異なり、同伴していた彼女はケロリとしていたという。 操縦していた本人と、ただ脇で座っていたというのは大きな違いかもしれないが、アナの年齢を考えると大したものだとシンは思う。 もしかしたら、パイロットの素質があるのではないのかと、半ば本気で思っていると、アナがキラキラとさせた瞳を、シンに向けていた。 喜びと感謝、素直な感情を、自分の膝の上から素直に向けてくる少女の瞳に、不意に無性に恥かしくなる。 「どうしたんだよ、姫様」 照れから思わずぶっきらぼうになるシンの口調に気を悪くするわけでもなく、アナはニッコリと微笑む。 「シンはやっぱり優しいです」 「な、何を急に」 「いつも私の我が侭を聞いてくれて、それでも本当に危険な事は叱ってくれます」 危険な事と聞いて、シンはいつぞやアナを思い切り叱りつけた事を思い出す。 それは機体の調整をしている時の事だった。中座して戻ってきたシンは、好奇心に目を輝かせたアナがコアスプレンダーのコックピットをいじっているのを目にした。何てことはなく、ZEUTH内でもっとも彼女の体躯でも忍び込みやすい機体がシンのコアスプレンダーであり、調整中の機体が彼女の体格で動かせるはずもない事も重々理解していた。 それでも、シンは幼い少女が、鉄の揺り篭に身を任せているのが、自分が同化し人を殺してる冷たい檻にいる事に強烈な嫌悪感を覚えた。 亡き妹の姿をダブらせたと言っても良い。今にして思えば、オノゴロの基地で子供に銃の撃ち方を教えていた自分にアスランが物凄い剣幕で怒りを露わにしたのは、これに似た嫌悪感を抱いたからなのかもしれないと、初めてシンは思う。 『何してるんだ、この馬鹿!!何かあったらどうする!!』 我ながら大人気ないほどの剣幕だったと思う。唯でさえ、エウレカが面倒を見ている子供達に怖いと言われ、またコーディネイターの証としてナチュラルから忌避されてきた自分の瞳が、怒りに染まるとどのように映るのか知っていたはずだった。 案の定アナは泣いたが、シンが驚いたのは、彼女が後日自分の行為について謝りに来たことであった。 『シンの大切な機体なのに、勝手に触ってしまって、その上御心配までかけてしまってスミマセンでした』 そう言って、可愛らしく頭を下げたのだ。その目にはシンへの恐怖は無く、純粋な自責の念が透き通って見えた。 その瞳が酷く新鮮であり、また懐かしいものでもあったからだろうか、シンはトコトコと心なしかしょんぼりとしながら去ろうとする少女を黙って抱き上げるとシミュレーターに乗せてやった。 最初は、膝の上に乗せられたのが、一人前のレディとしての気位故か、耳まで真っ赤にしていたアナであったが、すぐさま、初めて味わうMSで空を縦横無尽に羽ばたく感覚に喜びの声を上げた。 それ以来、こうしてシンが一人になったのを見計らってたまにアナはシミュレーターのフライトをおねだりするようになった。 「なぁ、姫様」 「ハイ、何ですか?シン」 フライトを終えシミュレーターの脇で胡坐をかいた膝の上にちょこんとアナを乗せたシンが、くりくりとした瞳で見上げてくる少女に、素朴な疑問を持ち出す。 「姫様は怖くないの?その……俺の目……」 シンとしては思い切って尋ねたつもりであったがアナはきょとんと、まるで何でそんな事を聞くのかわからないという顔をすると、小首を傾げる。 「何でシンの眼が怖いのですか?」 「いや……だって、俺の目って色とかありえないだろう…?」 「色…その真っ赤なお目めですか?とっても綺麗で素敵じゃないですか」 「気味が悪くないか?他の奴らとは違うんだぜ……」 「ゲイナーは他の皆さんと違って眼鏡をしてますよ?」 「は?」 シンにはアナが何を言っているのかがわからなかった。 ゲイナーが眼鏡をしているからどうしたというのだろうかと言おうとして、言葉を飲み込んだ。 アスランに殴り付けられても、一歩も引かなかった自分が、確かに幼く、真っ直ぐで無垢な視線に慄いていた。 「ロジャーさんはスーツでロボットに乗っていらっしゃいますし、レイはお目めが青いですよ?ロランだって髪の毛が変わった色です」 「え…っと…」 「皆さん違うじゃありませんか。どうして気味が悪いんですか?」 ガツンとシンは頭を殴られたのでは無いだろうかと思った。 その程度がどうしたのだと、まるでそう言われたようで二の句が告げられなかった。 胡坐の上に座ったまま、アナはニッコリと、シンの心の裡を見透かしたように笑うと子犬が親犬に擦り寄るようにもたれかかる。 「私はシンの目はとても綺麗だと思います。ウサギさんのようで、もっと温かいお日様の目です」 アナの向けてくる笑顔こそお日様のようにポカポカとするものだよと言ってしまいたかった。 しかし、妹よりも幼い少女にやり込められてしまった事がシンは無償に癪に障る。そおっと膝の上のアナの脇に手を差し込む。 「な~にが大の男に向かってウサギの目だ、コラッ!!」 照れ隠しに思い切りくすぐってやる。 「あはははは、くす、くすぐったい、あははは、です、きゃははは、シン」 目尻に涙さえ浮かべて、毛糸にじゃれ付く子猫のようにアナが身を捩らせる。 アナが、満足に呼吸さえできなくなりそうになるまで、照れ隠しと不器用な感謝をこめたシンのイタズラは止まなかった。 ◇ 「困ったわね…」 「困りましたね…」 シミュレーターの傍で繰り広げられている子犬同士のじゃれ合いにしか見えない、微笑ましい光景に出くわし、その微笑ましいやり取りを壊すのも憚られ、どうしたものかといった風な呟きがミヅキとルナマリアの口から漏れる。 「………」 セツコはしかし、そんな呟きさえも耳に入ってなかった。 カミーユやレイに向けるものとも違う、初めて見るシンの『本当の笑顔』に翠の瞳を完全に釘付けにされていた。 仲間達に向ける不敵な笑み、アスランに対して浮かべる嫌味を多分に含んだ笑み、そして、親しき者にさえ口元と目尻を緩めただけの笑み、そのどれもが、何処か自分を大人に見せようと、強く見せようと、隙を見せないようにしようという笑みであった。 しかし、アナとのじゃれ合いで浮かべているシンの笑みは、全く異なるものだった。 (あんな風に笑うんだ……シン君って………) 幼くも、優しさを含んだその笑みは、まるで戦争を知らない男の子が妹に向けるような無邪気で柔らかなものであった。 きっと自分達が今声をかければ陽炎のようにふっと消えてしまうのだろう事はセツコにはわかっていた。 だからこそもう少しだけ見ていたい、そう思う。 けれど、自分には決して向けてくれない笑みを浮かべているのが ―――――― どうしてか面白くなかった。 すぐに声をかけて無かったことにしてしまおうかと思うくらいに。 「シンったら可愛いわね。ねぇセツコ?……セツコ…?…あんた……」 「……え?」 ミヅキが微かに驚きを隠せないようにセツコの顔を覗き込んでいるので、セツコは、きょとんと聞き返す。 顔に何か付いているのかと聞くと、ミヅキは何事かを言おうと口ごもるような素振りをみせるものの、結局首を振る。 「ま、いいわ。芽生えたてなのか、自覚がないだけなのかわからないけど、今はちょっと早いみたいだし………」 「ミヅキさん?一体何を……」 彼女の言っている言葉の要領がさっぱり得ず、セツコは聞き返すものの、はぐらかすようにシンとアナのじゃれ合いに目を向ける。 セツコも同様にシン達の光景に目を向けると、今度はお返しといわんばかりにアナがシンの赤服に半ば潜り込むようにして擽り始め、シンはくすぐったさのあまり、デッキに響く声で笑い声を上げていた。それは普段のシンを知っている者であれば驚かずにはいられないが、生憎とこの場には本人達を除いてはゼツコとミヅキ、ルナマリアしかいなかった。 セツコはその事に、少しだけ自分でも理由のわからぬ優越感と満足感覚えていた。